【こんな症例も治りますシリーズ 777】『 ウサギの歩きづらい状態 ⇒ ソアホック 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、ウサギの足底に出来た『ソアホック(赤い部分)』を示しています。

 

 

【 後ろ足の裏が赤くなっている 】とのことで来院されたウサギさんです。

 

 

 

◆◆ 最近は座っている時間が長く、飼い主様も『 動きが少し鈍くなった 』と心配されていました。

 

 

■ 診察すると、両後肢のかかと部分の毛が薄く、赤みと軽度のびらんを確認しました。

 

 

■ 幸い、出血や感染はまだありませんでした。

 

 

■ 体重はやや重く、爪も伸びており、足裏に過剰な負担がかかっていたことが分かりました。

 

 

 

 

◆◆ 飛節びらん症、通称『 ソアホック 』の状態であると診断しました。

 

 

◆ ソアホック(飛節びらん症)とは、ウサギの後ろ足のかかと部分に起こる皮膚の炎症や潰瘍を指します。

 

 

◆ ウサギには犬や猫のような肉球がなく、足裏の被毛がクッションの役割を担っています。 そのため、毛が擦れて薄くなったり、床からの圧力が強くかかったりすると皮膚に炎症が起こりやすいのです。

 

 

 

 

■■ 主な原因

 

 

•  硬い床材(ケージの金網、フローリングなど)

 

 

•  肥満による体重負担

 

 

•  爪の伸びすぎによる姿勢の崩れ

 

 

•  湿気や汚れで皮膚が弱ること

 

 

 

 

 

■ 今回のウサギさんは、重症化する前に飼い主様が気づいて連れてきていただきました。 感染や出血は認められませんでした。

 

 

★ 感染があるか無いかは、『 ある特殊な液体でテストすると 』直ぐに分かります。

 

 

 

■ 長かった爪を切り、足底の消毒を行い、軟膏を塗布しました。

 

 

 

■ 最近お留守番の時間が増え、プラスチックのスノコのケージ内にいる時間が増えたとのことでした。

 

 

 

 

■ できる範囲で屋内でのお散歩の時間を増やすこと、長くいるケージ内の床を柔らかい素材のマットなどを置くことなど、環境の見直しを行いました。

 

 

 

 

★ 環境や条件が許されるならば、ゲージ内の床材を全く違うモノにして、患部と床材に『ある特殊な液体2を付ける』方法も効果的ですが、条件が合わない場合が多いので従来法で今回は環境整備を行いました。

 

 

 

 

■ 治療開始から2週間後には赤みが軽減し、びらん部分も回復傾向がみられました。

 

 

 

■ 環境改善の成果もあり、活動性が戻り、飼い主様にも安心していただけました。

 

 

 

■ ソアホックはウサギに多く見られる疾患で、環境・体重・爪の状態が大きな要因となります。

 

 

 

■ 早期に発見できれば、環境の工夫や日常ケアで改善できるケースが多いです。

 

 

 

■ ウサギの足裏は普段見落としがちですが、毎日のチェックが健康維持につながります。 今回の症例も、飼い主様が早く気づいてくださったことで、重症化を防ぐことができました。

 

 

 

■ 少しでも変化を感じたらお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

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